目指すべき建築家としての姿
今日のJIAの中で、自分を建築家としてどうクライアントに説明するか?という議題での話がありました。
さて、自分自身どういったことを考えているか、人にうまく伝えられるのかふと考えてみました。
今設計している建築でもそうですが、普段から考えていることがあります。
視線が行き交いお互いに刺激を受けるような建築
コロナで社会が変わる前からずっと思っていたテーマです。
結局、建築は人が集まるところ、人が使うところです。
人が集まって交流することで、他の人から何かしらの刺激を受けることを本能的に求めていると思います。
全てガラス張りだと落ち着かないですが、適度に壁があって、適度に視線が抜けて、自分の居場所がありつつも他の人とのつながりが感じられるような設計をしたいと思っています。
空間のつながりが感じられ、実際の建物よりも広さを感じる建築
建築をつくるにあたっては、必ず予算が存在します。
部屋をぶつ切りにして、ある場所に居座ったときに、その部屋の広さ感しか人は感じ取ることができません。
どの場所にいても隣の部屋とも視線が繋がったり、欄間部分が抜けていたり、廊下やロビーの突き当りが視線がすっきり抜けていたりと、実際の空間よりも広く感じることができると思います。
建築の規模を大きくして、部屋同士の視線が行き交わない作り方はもったいない。
小さな建物にして費用を抑えながらも、いい雰囲気をつくることができると思います。
多様に使うことができる建築
建築の使われ方を限定したときには、その使われ方以外では不便を乗じたり、そもそも使われなくなったりと、なぜ建築が存在するのか?といったところまで議論が発展する可能性もあります。
そうではなくて、あらゆる使われ方を事前に想定しておくことで、より便利に、より多様に、よりたくさん使ってもらえることにつながります。
例えば、年間数回しか使わない大部屋があったとすると非常にもったいないですよね。
部屋を分割すれば、会議や研修などにも使われたりすることにつながります。
調理室も普段は少人数で使うけれど、年に数回は大人数で使いたいなどの要望があったとき、どうしますか?
大人数ベースで作るともったいないので、和室を隣に設けておいて、大人数で使う時だけ調理室と和室を同時に使うとかもありえるでしょう。
普段使っている建築が、避難施設になることもありえます。
そういった一つの建物でも、時系列・使われ方などに応じて、いろんなパターンを想定して設計をしておくと、より使ってもらえるものになっていきます。
パースの建物は他にもいろんなことを考えていますが、特にこの3点は色濃く出てくるようにして使う人にとってよりよいものになればとがんばっていきたいと思います。