建築計画を企画するにあたって
よく公共建築で行われる建築設計のプロセスに、基本構想・基本計画とあります。
(民間では事業採算性なども確認しますが、今回はプロセスだけ述べていきます)
設計とは端的に言えば、デザインを決め、仕様を決め、図面を作成することが、主な作業になりますが、
基本構想・基本計画とは主に設計をする前の構想をきっちりと練る段階の作業です。
建築設計は、敷地や必要な諸室の条件、予算などが決まっていれば、
スムーズにプランを計画するフェーズに移れますが、
そうでない場合は条件設定から行う必要があります。
例えば各自治体の場合は、年度ごとの予算を組む必要がありますので、
いつどんな規模の建物をつくるのか、また改修するのか、保全を行うのかなど、
長期的な予算を組む必要がありますが、なんとなく●●億の計画やります!では、
納税者である自治体に住む人も納得いかないことと思います。
そこで必要なプロセスになるというわけです。
設計条件を決めるために
国土交通省での企画段階での主な実施内容として、下記の3つを上げています。
①建築物の機能、規模、敷地、設計・工事の工程、設計費・工事費、事業手法等を企画立案。
②工事費は、過去の事例や延べ面積当たりの単価等で大まかに見積もり。
③発注者(事業部局)は、この企画立案内容(基本構想や基本計画等)に基づいて予算を確保。
最終的には、公共であれ民間であれ、予算を算出して建築計画の実現が可能かどうかをクライアントが確認することが重要です。
建築の規模を算定するには、
例えばオフィスであれば、働く人がどのくらいいるのか、また会議室などはどのくらいいるのか、
更衣室・食堂などの働く以外のスペースはどのくらい必要かなど、諸条件から求められます。
働く人はどのくらい?というのは、
クライアントの会社の将来構想に則って決めていく必要があるでしょう。
土地はアクセスしやすいことはもちろん、
来客用の駐車場などどのくらいにするのか?必要な広さは?土地にかけられる予算は?など、
設定すべき条件は実に盛りだくさんです。
条件設定をしながら設計当然できなくもないですが、ほぼ間違いなく予算をオーバーすると思います。
その後、図面を書き上げてから予算が合いませんでした、建物の計画を変えましょうね。という話は、
なかなか受け入れられる話ではないと思います。
最悪事業が頓挫するリスクも孕んでいると思います。
上の図でもあるのですが、設計段階になると要求内容が増えたりして、どうしても予算の変動が起きたりします。
ただ、それを見越した上で、企画段階できっちりと条件を設定しておけば、あらかたスムーズに事業は進みます。
この辺りは公共の基本構想・基本計画を何度か経験があり、プロセスや進め方は理解しています。
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