部屋の窓の取り方と風の流れ
以前のブログで、【換気を効率よく】という内容で効率のいい換気とはどう窓を取るのがいいかを書きました。
少し、具体的にどんな風の流れになるのかを少し載せたいと思います。
窓が壁1面にある場合と対面にある場合の違い
以前も、窓を設ける場合は1面よりも対面の方がいいことは少し書きました。
①-1:窓が1面の壁にしかない場合
風上側の壁に窓を取っていますが、風が入ってきて気流は発生しますが、
空気が回るだけであまり換気はできていないことが分かります。
①-2:複数の壁に窓がある場合
窓を風上・風下に1か所ずつ取った場合です。
風は抜けることが分かりますが、室内の空気が適切に入れ替わるかと言えばそうでないことが分かります。
①-3:窓を部屋の対角に取った場合
風上と風下に、対角に窓を配置すると空気が室内の空気をかき混ぜながら、空気が入れ替わることが分かります。
この3つの動画を見ていただければ、①-3のように、できるだけ対角に開口部があればいいことが分かると思います。
部屋に窓が一つしかない場合は、窓と出入口のドアを開ければいいと思います。
窓の種類の違いによる影響
少し分かりやすく、一般的な引違窓と片開窓(もしくは縦すべり出し窓)などを想定して、どのような違いがあるか見てみましょう。
②-1:引違窓を想定した場合
風上・風下に窓を取れない場合は、うまく空気が流れていないことが分かります。
②-2:開き窓(縦すべり出し窓)で風を捕まえるように開閉する場合
窓の位置は②-1と変えていませんが、開き窓がウインドキャッチとして機能しています。
室内にうまく空気を取り込み、そして吐き出す機能を果たしていることが分かります。
②-3:開き窓だが風をうまく捕まえられない場合(②-2と逆の開き勝手の窓)
こちらも、②-2と逆向きに窓の開閉方向を変えた場合です。
風の流れを遮っていて室内の空気が、うまく入れ替わっていないことが分かります。
風向き・窓を計画する場所・窓の開閉方向も重要です
これらを見ると、窓の取り方だけで換気の状況が変わることが分かります。
設計をする際には、近くの気象台からのデータを取って、過去数年分のどういった風の傾向があるのかを掴むようにしています。
風向きなどは自然のことなので、常に一律では当然ないのですが、
ある程度傾向を見据えて適切な設計をしたいなと、心がけています。