バルコニーからの雨漏りがないよう注意すること
本日から、お盆休みも終えてフル稼働しております。
当社で設計に関わった建物ではないのですが、大雨で雨漏りがあったという話を聞き、
原因について、少し相談に乗ってほしいということで、状況を見ながら原因を考えてみました。
よくあるタイプの住宅で、1階が広く確保されていて、2階は一部バルコニーになっている住宅でした。
屋根に降った雨は、当然ながら勾配に沿って流れていきます。
また、バルコニーに降る雨は、ルーフドレン(排水口)に集められて、樋に流れていきます。
バルコニーの排水に何らかの支障があった場合・・・
ここからが、昨日相談を受けた内容になります。
賃貸のもので、1階と2階の住み手が違って、1階で雨漏りが起きていました。
2階は別の方の住まいのバルコニーなので、何ともはっきりしたことは言えませんが、
下の図のように雨水がうまくはけていないことが原因と思われます。
ルーフドレンが詰まったり、樋で詰まったり、うまく排水ができない場合は、建物の中に入り込んできます。
そうするとバルコニーがプール上になってしまい、ある量を超えてしまうと、
建物の中に雨水が入ってきます。
2階の床が水浸しになるとか、1階の天井から雨漏りをするとかになります。
【雨水排水の根拠(建物編)】という記事で、一度まとめていますが、
この通りに設計をしていても、枯れ葉などを放っておくと排水溝が詰まることがあるのです。
大雨でバルコニーの水が排水できないリスクを下げるには
もちろんバルコニーの防水がしっかりとできていないと話になりませんが、
いくつかいつも考えていることがあります。
①バルコニーにはルーフドレンを複数設けること
設計上は1つのドレンが詰まったとしても、別のドレンから排水ができるように考えておくことも大切です。
こちらは、自分で設計をする場合には、必ず考えておくことです。
②オーバーフロー管を設けておくこと
仮にドレンが詰まったとしても、オーバーフロー管から排水ができるようにしておけば、
プール上になってもある一定のところからは水を吐き出せます。
オーバーフロー管から水が出ている状況であれば、ドレンが詰まっている。まずい掃除しないと!となるわけです。
(ただし、あくまでオーバーフローした雨水が抜けるため根本的な解決策ではありません。)
③雨水ドレンを定期的に清掃をしておく(一番大事なポイントです!)
実は誰でもできることで、最も大切なことだと思います。
ドレンが枯れ葉で詰まることについては、設計者の責任でもなく施工者の責任でもありません。
詰まることがないように、本来建物を管理する人、使う人がしっかりと見ておいてください。
先ほどの話のように、下階は別の人が住んでいる・使っているという場合には、
迷惑をかけかねないですので。
※くれぐれも雨の日は滑りやすいので、転倒・転落などがないように十分な注意が必要です!