窓のガラス厚について
某建物の改修で、ガラス厚の算定を行っています。
ガラス厚は風圧力(建物が建つ地域・周辺環境の条件から求められる)ものと、
使われ方などによって算出されることになります。
風圧からガラス厚を算出すると
例えば、賃貸マンションなどの3階でのある高さの引違窓(単板ガラスの4周支持されている)を想定した結果です。
長崎の某地域で考えると、透明ガラス3mm・型板ガラス4mmであれば、
風圧上の計算は問題ないことになります。
さて、これだけでいいでしょうか。
賃貸マンションを想定した場合・・・
使う方はどんな使われ方をするのかは分かりません。
小さなお子さんと住まわれる場合はどうでしょうか。
別でこんな資料があります。
赤をつけたところですが、3歳児が転倒して頭をぶつけた場合を想定した、
ガラスの破損率を実験した参考データです。日本板硝子のカタログから抜粋したものです。
(頭を実際にぶつけるわけではなく、砂の入った袋をガラスにぶつけるという代替試験をしている結果です)
小さな子どもが家の中を走ってガラスに頭からぶつかると、
透明(フロート)ガラス3mmだと60%が破損する。型板ガラス4mmだと70%が破損するとあります。
そのまま使うと、風に耐えても頭ぶつけてけがをしたなどとなると怖いですよね。
こういった点から単板ガラスをビルサッシとして使う場合は、透明だと5mm以上、
型板だと6mm以上は最低限欲しいなと考えています。
ガラスの種類によってい都度検討が必要です
強化ガラス・合わせガラスは、透明ガラスや型板ガラスに比べ、割れにくいです。
住宅の、Low-E複層ガラスなどはガラスにフィルムが貼られているので、
割れにくくなっているなど、それもまた違う条件になります。
設計は安全面をきっちり考慮しつつも、過剰設計でコストがかかりすぎないように、
きっちりと根拠を持ちながら進めたいですね。