建具枠をすっきりと

現場の建具の施工図のチェックをしています。

施工図では建具枠の細かい平面・断面などの寸法や形状などを細かく確認していきます。

一般的に施工図で一回目で上がってくる枠形状は左のものになります。
が、私は個人的には使いません。

扉の開き勝手によって、枠の見え方が変わってくるため、
内観の統一性がないためです。

必ず右側のZ枠で返すようにしています。
スケッチで見ても要素が一つ減る分見え方が違うことが分かると思います。



枠形状は、他にもいろいろあります。

枠を壁厚いっぱいにとらずに最低限の枠の大きさにすることで、
枠の存在感を少しでもなくす方法が1つです。

もう1つは枠自体をフラットバー(薄いスチール)で構成する方法です。
主に共用部など目に触れる機会の多い場所などに共通して使えば、
かなりすっきりとした印象にできます。

枠の計上などはコストを睨みながら、設計段階でスペックを入れておかなければ、
当然ながら現場段階でコントロールができません。

今回は枠について載せましたが、他にも意匠的に影響がある項目は多々あります。
■両開扉・片開扉におけるポイント
■ヒンジをどう選ぶか(ピポットヒンジ・フロアヒンジ)
■電気錠を収めるには
■ドアクローザーは何を選ぶか
■ガラススリット・ガラリをすっきりと見せるには

こういったことを設計段階である程度見越して図面化しています。

木製の既製品の建具でも、いくつかメーカーさんの既製品ですっきりしたものもありますので、
無理して造作ですべて作らずとも比較的コストを抑えて全体の統一を図ることも可能です。