敷地に吹く風の特徴を捉える

新たなプロジェクトがスタートしています。

上五島のプロジェクトですが、海沿いの敷地です。
以前も記事に上げていましたが、上五島では地域によって日常的に吹く風や、
台風の時に大きな被害を受ける風の向きが異なります。

この近くに住む方に実際に風の影響をどのように受けるかヒアリングをして、
実際にシミュレーションしてと2つの側面から確認をしました。

ヒアリングの結果

ヒアリングの結果は、山が北側にあるから冬場の北風は意外と気にならないとのこと。
東側が海であることから、東や南から来る風(特に台風)が特にひどいとのことでした。

シミュレーションの結果

Autodeskのソフトを使ってシミュレーションをしてみました。
色の濃いところが風の影響を強く受けるところです。

上五島地区は北側から吹く風が多いのと、南側から吹く風が全体的に多いのが特徴です。
入力しているのはそれぞれの向きから吹く風の平均風速でのものになります。

あくまで入力している風の強さに対して、敷地でどのような強さで風が吹いているかという視点で見ていきます。

結果として、

 北からの風:風速6~7mで吹いている風が、敷地では3m程度に(風の影響は小さい)
 東からの風:風速4m程度で吹いている風が、敷地では同じく4m程度の風(風の影響は大きい)
 南からの風:風速6m程度で吹いている風が、敷地では4~5m程度に(風の影響は中程度) 
 西からの風:風速5m程度で吹いている風が、敷地では1~2m程度に(風の影響は小さい) 
 
ということが見えてきます。

つまり、東側や南から吹く台風については特に要注意という敷地であることが、検証からも分かります。
地形から読み解ける一つの設計条件になります。