駐車場における車の軌跡について
先日、知人から建売の家を購入したいが、駐車場に車が停められるかの相談がありました。
車に詳しい方はご存知だとは思いますが、我々も駐車場に必要な寸法は、
諸元表を見て判断します。
例えばとある車の諸元表はこういった内容です。
その諸元表を見て、自動車の軌跡を作成するわけです。
この辺りも設計する上では基本中の基本です。
作図をするとどうなるのか
作図も、車の最小回転半径(要は小回りがどのくらい効くのか)とか、
ホイールベース(タイヤの前後の間隔)とか車のサイズが必要です。
具体的に作図するとこんな感じです。
例えば、ミニバンのアルファードと軽のタントだと、これくらい車の取り回しに必要な寸法が変わります。
具体に、敷地に落とし込んだ場合の例です。
具体的に軽自動車とミニバンを敷地にレイアウト
いびつな形の敷地で、当初は図面の上側の道路(北側道路)からアプローチができる想定で設計をしていましたが、
図面上左からの出入りに制限されることが分かり、平面計画をやり直す前に条件を整理したものです。
赤が軽自動車の軌跡で、青がミニバンの軌跡です。
作図で見ても分かる通り、ミニバンの切り返しや出入りが非常に厳しいことが分かります。
実際の運転だとこうもうまくいかないと思います。
作図した状況を説明して図面上左上の✖がついている敷地も購入すると、建築主の方が判断するに至りました。
このあたりは、感覚でいけるだろうといった判断は禁物です。
設計をする上では、必ず根拠が必要だと思います。
このページをご覧いただいている方も、まずはこういった検討が必要なことを頭に入れておいていただければと思います。