CLTを活用した建物の見学
今日は、午後からCLTを使った建物の見学に行きました。
具体的に写真などを載せられないですので、
何が何やら分からない文章かもしれませんが、聞いた情報と感想をまとめてみます。
(半分は自分の備忘録みたいなものなので、専門的な用語が混じります。分かりにくくすみません。)
CLTとは、Cross Laminated Timber(JASでは直交集成板)の略称で、
ひき板(ラミナ)を並べた後、繊維方向が直交するように積層接着したものです。
(添付のLINKに詳しい情報が載っています。)
今日話として聞いたことは、
■通常の柱・梁で構成される構造ではなく、CLTが面材として地震力を受け持つため、
非常に強い構造になる。
■木材量は通常の柱・梁で構成される構造よりも、当然増えるため割高にはなる。
ただし、CLTに関する補助金を活用すれば、同等の金額で性能を耐震性能を高めることが可能。
■耐火構造(燃え代設計)とする場合は、木材の容積がかなり増えるため、
CLT壁構造とする場合は、経済的に設計をすることは難しそう。
■木材の価格については、材料費は上がっているが、
製材や加工費用まで連動して上がりまくっているわけではないので、
木材価格の上昇も材料に関する部分の上昇のみとなるとのこと。
■耐力壁となる部分について開ける開口などは細かな制限があるため、留意が必要。
耐力壁は、コンセントなど穴あけや配線もNGなので、設備との調整は特に入念にする必要あり。
■現状は構造計算のルート1での計算になることから、過剰に耐力壁を設けている印象があった。
ルート3などの保有水平耐力計算を行えば、より木材量を減らせてコスト減もできそうな印象。
(ただ構造計算をされた方に話を聞くと、ルート3の方法はあまり公開されていないような話も・・・。
構造家に詳しく聞いた方が良さそう・・・)
■長崎県産材を使うことも可能。
ただし製材をできるのが九州では今のところ1社(鹿児島)のため、輸送対応が必要になる。
などでした。
本来の日本の木造は、内外とのつながりを重視するようなつくりの構成です。
今日見学した建物は外壁に耐力壁がふんだんに使われていたことから、閉鎖的な印象でした。
軽快な印象ではなく、RC造に近い感じです。
単に木を使いたいということではなく、どういった空間にしたいかのイメージを持たないと、
意匠と構造のバランスをマッチした、雰囲気にはできないのではないかなと感じました。
階段廻りや倉庫などの周りを耐力壁でうまく固めて、極力外壁周りは開放的にするなど工夫は必要です。
CLTを使った建物はいろいろあるので、一度勉強しておきたいと思います。