住宅の内装をどう考えていくか
決める順序が難しいと思いますので、まずは提案をさせていただきます
建築主の方からすると
【内装は自分好みで選びたい!!】
【設計者に決めさせるのはどうなるか最終イメージできないから不安だ。】
そう思われる方も当然いらっしゃるとは思います。
ただ、私は設計者として、
【今の平面計画や家具の置き方、空間の構成から考えるとこうでどうですか?】
とまずは投げかけるようにしています。
空間のイメージ・照明の配置位置・家具の置き方などを考慮して、
どの部分をどう見せたいかのイメージを考えながら、提案をしています。
自分では思いつかなったけれど、
提案してもらった色彩がすっきり馴染んで見えると思ってもらえればと考えるからです。
要は、建築主の好きな色彩と、設計者側の感覚との、いいとこ取りをしてもらいたいからです。
少しプロセスをまとめたいと思います。
インテリアを考えていく際どう考えるか
色彩を決める際には、部屋全体のイメージを決める「ベースカラー」と
ワンポイントアクセントになる「アクセントカラー」を選びます。
家具の選び方、照明の選び方なども重要です。
■ベースカラーは白に近い色の方が、部屋は明るい雰囲気になります。
アクセントカラーは、一面パシッと見せたい部分に使います。
■アクセントカラーは、できるだけワンポイントで絞る方が、空間が落ち着いて見えます。
その理由としては、家具やカーテンなどの追加要素がどうしても入ってくるからです。
個人的には、部屋の中で使ったとしても1面(壁でも天井でも)とした方がすっきりとして好きです。
■家具はアクセントカラー、もしくはベースカラーと近い色でできる限り統一させます。
そうすることで空間に統一感が出て来ます。
■間接照明を入れる部分の壁はできるだけ明るいものにします。
一旦壁・天井に光を当てて照度を確保するため、暗いクロスなどを選ぶと、部屋の明るさが落ちます。
(バーなどの落ち着いた雰囲気を演出したいなどは別ですが)
■照明は、暖かく落ち着いた雰囲気にしたいのであれば、電球色(黄色っぽい色)を選ばれたり、
少し目が悪い方などは温白色・白色などが、物が見やすいです。
昼白色は白く少し冷たい印象を受けるかもしれません。
この辺りは好みですね。
空間の構成ももちろん考えるのですが、上記のポイントはいつも必ず考えます。
着色イメージは作るようにしています
天井が木板張り、梁が木あらわしでしたので、十分雰囲気が出るのではないかと思い、
白ベースがいいのではないかとして提案しました。
例えば、壁側をグレーにしてみると部屋の雰囲気はがらっと変わります。
窓際に間接照明を仕込んでいますし、窓側の光が入る本来明るい面が暗い色になって違和感が出ます。
止めておいた方がいい例ですということで、建築主の方には説明しています。
着色イメージと、壁紙やフローリングサンプルを確認しながら色を決定していきます。
CGを準備するのはできるのですが、
イメージを見ながら着色をパパっとデータ上で変えられるので、様々なバリエーションを作って提出などしています。
作業的には大したことはないので、いろいろ作ってみて、
新たな発見があったり、試したりできるので、個人的には楽しみながらやっています。
住宅以外の建物の場合は?
他にも、造作家具やサインなど複雑にいろんな要素が出て来ますので、その都度提案をしています。
外観と合わせて、建物全体がうまくコーディネートできるように提案をしていければと考えています。
建物のイメージやブランディングなどにも関わる重要な要素ですので、
コンセプトから提案するように考えています。
そのあたりの考え方などは、またそのうちアップできればと思います。