建築主の悩みを共感しながら理想的な設計ができるように

2年前までは、組織設計事務所にいましたので、意匠設計を専門にやっていました。

今住んでいる自宅を設計していた時期は前職でバタバタと仕事をしていた中で、
深夜・休日を使って悶々と一つ一つ壁にぶつかって、乗り越えたのか、単にかわしただけなのか、
単に壁があるように見えていただけで壁すらなかったのか、いろんなことを思い出します。

設計する上で悩んだこと

設計を進めていく中で、坪●●円で計画したいなどと思いつつも、
やはり見た目がいいものや、物持ちがいい素材など、
理想を言えばいくらでも必要な金額が積みあがって行ってしまいます。

間取りなども当然悩みますが、工事費をどのあたりで落ち着くように、
計画を詰めていくかというところは非常に悩みました。

ここは譲れない!ここはある程度仕方ないか!といったところの、
ずっとせめぎあいをしながら考えること。
かっこいいメーカー品などもある程度分かっていたからこその、葛藤がずっとあったように思います。

設計以外のことでも悩みが多いことを学びました

真っ先に土地をどうするかを悩みました。
生活圏をどうするか、どのくらいの広さが必要なのか、坪単価はとか・・・?

建設費用をどうしていくのかも悩みました。維持管理費用を抑えるためにどうすればいいかも悩みました。

固定資産税や地震・火災保険など、年間どのくらいかかる費用なのか知りませんでした。

建物の登記もしておかないとと思いましたが、
土地家屋調査士さんに見積もりを取ると思ったより高い(相場を知らなかっただけですが)ことにびっくりしました。

そこから、登記は建築主であれば自分でできることを知り、登記の手続きを自ら行ったこともいい経験です。

庭の植栽を自分で植えたところもありますが、
日当たりによって元気よく育っているところ、梅雨時期の病気や大雪で枯れかけたりと、ちょっとした特性の差で表れること。
植栽の本だけでは分からないこともいろいろありました。

それまでは、建築主の意見を聞きながら設計をしていたのですが、
これほどまでに心変わりをして迷いながら、
膨大な決め事をしながら、打合せをしていたんだなということを知りました。

悩み多き建築主に寄り添える建築家になるために

設計とは、建築主の方が建物を建てるプロセスで悩むことの、あくまで悩みの一つだと思います。

それ以外の膨大の悩みがあることを経験したからこそ、
他の知識もきっちり身に付けないといけないなと考えています。そのうち資格も取ります。

 ●不動産関連に関する知識
 ●資金計画に関する知識
 ●植栽計画に関する知識
 ●登記関連に関する知識

よりよい空間を考えることは我々建築家は必須で考えることです。
建築づくりを取り巻く周囲の環境を理解しつつ、より建築主の思いを引き出すことができることを目指したいなと思っています。