庭や外構は住宅の設計と同時に計画をすべしです
住宅と庭を計画するに当たって、住宅の設計が完了してから庭を考えるやり方と、
庭も同時に考えながら設計する方法があります。
ただ、断然後者の庭も住宅も同時に設計をすることが、よりよい計画につながります。
コロナ禍もあり家で過ごす時間が増えていることや、自宅で仕事をする方もいらっしゃると思います。
庭も含めて心地よい空間を考えることは、とても大切なことだと考えています。
家の中にいながら外を感じ取れる中間領域としての庭
中庭のある住宅では、家の中に庭を取り込んでいます。
リビングからは天井までの窓を空けると、外部とつながる空間となるよう意識して設計しています。
4畳半とこじんまりした中庭ですが、多様な意味合いを持たせることで、
広さ以上の価値につながらないかと設計をしています。
①職住一体における課題を解決するための緩衝材として考える
②カーテンをしないプライベートな庭として、広がりを感じること
③いつでも光や風を取り込むことができること
④家族や来客を迎え入れる演出を行うこと
少し具体的に説明します。
複数の意味合いを持つ中庭として
①職住一体における課題を解決するための緩衝材として考える
生活空間と、仕事をするスペースが壁で隣り合っていると、仕事をしていても集中できないことが考えられました。
また住む家族も、気をつかっての生活をしてほしくないため、間に中庭を設けています。
事務所スペースから足元の植栽だけが見え、庭を見えつつ集中できる環境としながらも、
日常住まう家族の様子は敢えて見せないこととしています。
②カーテンをしないプライベートな庭として、広がりを感じること
③いつでも光や風を取り込むことができること
生活する場からは、外とのつながりを持つような場になればと考えました。
4畳半の小さな中庭ですが、窓を空けると外部空間とつながるような場となり、部屋自体も広く見えます。
廊下やリビングは、日中はいつでも明るい空間はもちろんですし、
春・秋の中間期は心地よい風を取り込むことができます。
廊下も窓に面することで階段も常に明るく、狭苦しさを感じないように考えました。
④家族や来客を迎え入れる演出を行うこと
玄関からは、縦長の窓を設けて植栽に目がいくような設えとしています。
視線が中庭に向くことで、閉鎖的な玄関ではなく開放感につながればと考えてました。
庭を住宅を構成する重要な要素です
設計をするにあたって、庭のイメージも同時に考えていました。
どのあたりに植栽を配置すれば、それぞれの場所から効果的に見えるのか、
また季節感を楽しめる樹種にするにはどうしたらいいのか、
デッキの広さは使い方に対して適切かどうかなど。
窓の高さや大きさは、庭を絵として考えると、
窓自体は額縁やフレームになります。いわゆる借景という考え方です。
この辺りは、常々勉強しながら知識をつけていきたいと考えています。