雰囲気のいい公共の場を考える

最近とあるWEB上のセミナーを受けました。(建築士専門のセミナーではなく、いわゆる一般向けのセミナーです。)

その中で、講師の方が東京の南池袋公園の事例を挙げていました。
元々は、ホームレスが多い公園だったところを、
都市に緑をもたらすだけでなく、様々なイベントに使えたりするような整備を行った事例です。

結果、区のイメージも変わって、続いて複数の公共空間の整備が引き続き行われています。

講師の方は、建築設計の専門ではなく、なぜそこがいい雰囲気なのかが、自分の中で分析できなかったとのことです。
広さ的には、諫早市役所前の公園の広さくらいなのになぜ?といったところがあるようでした。

少し自分なりに考えてみました。

人が集まっていても一人でたたずんでいても違和感のない空間

少し自分なりに解釈をしてみると、上のようなことだと考えています。

イベントなどで人が集まっても楽しげに見え、
人がいなくても木々があって木陰でゆっくりと時間を過ごせるような、
二面性を両立する空間のような気がしています。

【ミラノのガレリア】

イタリア・ミラノのガレリアの(2007年に旅行した際のもの)写真です。

人がいると賑わっていてすごく旅行に来たという感じがしますし、
人が少なくても落ち着いて壁面の装飾など歩行空間を楽しむことができます。

頂部からは明るい光が入ってきますし、通りから見えるショーケースを見ながら、
ショッピングを楽しむとか、どんな時に行っても雰囲気がいいように感じました。

【ボローニャのポルティコ】

イタリア・ボローニャのポルティコの(2007年に旅行した際のもの)写真です。
ポルティコは柱廊の歩道で、街のいたるところに張り巡らされていています。城壁の中だけでも38kmあるとのこと。

ここでは、飲食ができるようにイスが置いてあったり、
そうでなくても天井の装飾がとてもきれいで、
こちらも人がにぎわっていても、そうでなくても雰囲気がよく楽しめる場所でした。

建築的な要素にどう落とし込むかは、それぞれで考える必要がありますが、
こういった人がいるときのシーン・いなくても落ち着けるシーンと描きながら設計を考えていきたいですね。