建築の視察②
大阪市中之島美術館を見てきました。
前職で基本計画の仕事に関わっていたこともあり不思議な感じでした。
美術館自体は展示品がメインの場所ですので、建物自体はシンプルです。
空調・照明・細かなディテール・シークエンス・視線の抜けなど細かな部分をいろいろ見てきました。
吹抜けを通じて、何層にも空間がつながり、人の行き来が見えます。
基本的には建物が主張しないようにシンプルにまとめられていて、
建築の特定の場所ではなく、アートなどに視線が向くような工夫がされていました。
家具は、建築の外観・内装材などをモチーフとして製作されていて統一性を持たそうとする意図を感じました。
企画展は【すべて未知の世界へ ー GUTAI 分化と統合】を見てきました。
具体美術協会という美術家集団の展示でした。
展示の中で、作品が【無題】と言ったものが多くなぜだろう?と思っていましたが、
芸術は言葉で説明しなくても相手に何かを伝えるものでなければならないことから、タイトルをつけていないそう。
他にないものをともかくひねり出す発想やありきたりのものにならないようにする思想などは、
建築にも通じるものがありました。
建築をつくる上で思想というものは、とても大切だなということを改めて感じました。