建築の視察③
どこかに泊りで出かけるときは、宿泊場所も何かしら意図を持っていきます。
ホテルの客室もどのように計画されているのか、工夫されているのかなども、見ていく上で大切な視点です。
客室自体はとてもコンパクトながら、あまり狭く感じない工夫がありましたので、何点かご紹介。
窓が部屋の横幅いっぱいに取られていて景色が見える
見て分かる通り、窓が横幅いっぱいに取られています。
写真は、ロールブラインドを上げて取ったのですが、景色が広がるため狭さを感じません。
ロールブラインドも遮光用とレース(半分透ける)ものとあり、外からの視線をさえぎったり部屋を暗くしたりとコントロールできます。
窓の横に袖壁が見えていると、壁自体の存在感がどうしても出てくるのですが、
壁際まで窓があるため、外壁の存在感が和らいで、オープンな印象を受けます。
ユニットシャワー・洗面もガラス越しに見える
これは人によって好みが分かれるところかもしれません。
トイレ・浴室廻りがガラスになっていましたので、どこにいても狭さや圧迫感を感じませんでした。
ベッド・シャワー・トイレなど、どこを利用しても隣の部屋とつながっている感じですので。
気になる人は、ロールブラインドを下ろせば見えなくなります。
シングルで宿泊する場所向きかもしれませんね。
建築のコストバランスを考える工夫
確かにガラスやサッシをはめ込むと高くなります。
ただ、狭い印象を与えたくないから広くすると、結局全体工事費に跳ね返ってきますので、全て壁にして部屋を広くするのが正解とも限りません。
部屋を広くすると、部屋数が減ってしまい収益が減ることにもなります。
内装自体は、床もカーペットではなく、ビニル床シート(カーペットみたいな模様)・壁もビニルクロスなので、内装にはコストをかけているわけではありません。清掃等しやすいような計画でした。
ホテルの設計だけでなく、こういった設計の工夫の引き出しはいっぱい持っていることが大切です。