建築の価値やあり方についての考えを整理
建築雑誌は定期購読をしながら、最新の情報や技術などは取り入れるようにしています。
今日は、ある建築家の方がまとめていた記事を読み、
自分の中での考えや思いについて少し整理してみましたので整理してみます。
【建築も都市も、その本来的なそして本質的な価値は金や経済に膝を屈したように見える。】
【今、世の中には「便利だけれど価値のないもの」が溢れている。
だから今の時代には「機能がなくて価値のあるもの」はことさら必要に思える。】
ー 新建築 2021.10 より引用 ー
確かにそういった風潮は感じることはあります。
発注方式もPFIやDBなどを取り入れる自治体も増えて、
民間のノウハウを使いながらともかく施設を安くつくるといった方式も増えています。
果たして安く作られるだけでいいのかというと決してそうではないと思います。
使う人が愛着を持って大切に使ってもらうことがなければ、長い期間価値のある建築にはなりません。
長く使ってもらえる建築は、用途を変えてでも残っていくものです。
ある意味機能がなくても価値があるものと言える本質の部分なのかもしれません。
【「本当の意味での建築の機能」とは、便利さや使い勝手のよさ経済性に応えることではなく、
その先のもっと深いところにある。
それは「歴史や文化や芸術といった総体の要請に応えるもの」であるはずだと思う。】
ー 新建築 2021.10 より引用 ー
便利さや使い勝手のよさ、経済性を考えることはクリアした上で、
どう価値を見出すことができるか。
建築は価値を重ねていくことに良さがあると思うことに面白さや魅力があります。
利用する人や訪れた人の心がどう動かされるか、ということを考えて同時に設計をしています。
落ち着きほっとした気持ちにすることができるのか、
ワクワク活動を促すことにつなげられるのか、
長い時間過ごしても居心地がいいのかなどがそうです。
設計する建物や場所をどうしていきたいかの願いや思いを持つことが大切だと思っています。
設計をしていくと、要望やお金などの与条件によって見失いそうになることもありますが、
きっちりと自分の中で整理をすることが大切だなと思っています。