過去の地形から構造を考える

建築を考える時に、過去の地形を読み解くことも大切だと考えています。

ハザードマップなどから、洪水や土砂災害が起こりうるかどうかはもちろん見ますが、
なぜそれが起きやすいのかなど過去の地形の変遷からも見えてくることがあります。

Googleマップ上に過去の航空写真を表示する – MULTISOUP

今回は上記のマップで確かめました。

ある土地の履歴を調べてみたものです。

赤丸の土地は、以前から陸地であったものですが、青丸は1964年~1978年の間に埋め立てられていることが分かります

つまり赤丸と青丸の土地は、近接している場所でともに埋め立てられていても、
土地の性質は全く異なり地盤が弱いものだと推測されます。

ある程度軽い構造で提案をすれば、杭などの本数なども減らすことができるのでは?なども考えられるわけです。
プランが固まって構造を決めるではなく、ある程度構造のイメージももちながら計画を詰めていけば、
その場所に応じて適切な計画ができると考えています。

また、青丸部分は以前は入り江であったことから、
大雨の際の土砂災害や水の流れなども考得ておくべきと思います。

地形の履歴を調べると住宅の土地選びの一つの指標になるかと思います

例えば、元々が田んぼだった場所を造成したりすると、
かなりの高確率で杭を地盤に打ち込む必要が出て来ます。
逆に山を削った場所であれば、地盤が安定していることが予測され、
杭はなくてもいけるのでは?といったことも予測ができます。

また洪水などのリスクなども過去の地形から、見えてくるものがあると思います。
山の尾根を削った土地であれば、水は避けられますが、
谷の部分に盛土をした土地だと・・・考えると分かることだと思います。

土地選びなどをされている方は、ぜひ一度過去の地形の履歴を調べられてもいいと思います。
国土地理院からも、調べることができますので参考になれば。

地形図・地勢図図歴 (gsi.go.jp)